不登校は大きく3種類の型に分けることができ、それぞれの対策も変わってきます。
1つ目は「素行不調型」です。素行不良型は俗に不良やヤンキーと言われ、社会や学校や親などに対する不満や、心のひずみにより、学校や社会の枠組からはずれてしまう不登校の形です。暴走族に入ったり、覚せい剤にそまったり、家出を繰り返す少女などがこの素行不良型になります。
素行不良型には今主流となっている考え方「待ちましょう」「不登校を認めてあげましょう」「愛情を注いであげましょう」などの対策が有効です。今や学校や社会のレールからをはずれた子どもたちの救世主となっている夜回り先生もその子を一切否定しない認める心と、毎日の夜回りメールといった無償の愛で多くの悩める子どもたちを救っているのです。
2つ目は、「過保護型」です。過保護型は親の過保護、過干渉により自立、協調性、ストレス耐性など本来家庭で育まれるべき能力が不足して、学校という集団生活に適応できなくなってしまう不登校の形です。最近特にこの過保護型の不登校が多いようです。
過保護型には、過保護型は素行不良型と違い、親からの愛情は満たされています。むしろ過剰な愛情が逆に子どもたちをだめにしているといっても過言ではありません。過保護型は自立と協調性とストレス耐性のなさに問題がある場合が多いので教育センターなどの「待ちましょう」「認めましょう」「愛情を注いであげましょう」では何も変わりません。過保護型に素行不調型の指導を行うと退行が進み自分では何もできなくなってしまいます。ひどくなると子どもが赤ちゃん言葉のような話し方になってしまいます。ですから過保護型には過保護や過干渉を止めて自立を促すような対応が有効です。
3つ目は「いじめ型」です。正確には「いじめられ型」ですが、いじめはとても難しい問題で、その子がいじめられやすい性格をしているということになれば過保護型に入ります。しかし、いじめは悲しいことにきっかけ1つで誰にでも起こる可能性を秘めています。ですから「いじめ型」は不登校のオーソドックスな形と捉えがちですが、私たちは不登校の特殊な形として捉えています。
いじめ型には、いじめ型にはいろいろな要素が含まれるので一概には言えませんが、本人の性格にも問題があると思われる場合(人見知りが強い、自己表現ができない、協調性がないなど)は基本的に過保護型と同じ対応が必要です。本人に問題がなくても何か些細なきっかけでいじめられてしまう場合(いじめを注意して反感を買い標的になってしまう場合や偏った趣味があった場合など)は環境を変えてあげることで解決する場合もあります。本人に問題があるにしろないにしろ、いじめという問題で大切なことは、いじめにあってしまったときに子どもが一人で悩まないですむ、相談しやすい環境があることです。そのためには、日ごろから家族でコミュニケーションをとるようにしておくことが大切なのは言うまでもありません。