エンカレッジの復学支援とは、子どもの現在の状態を分析し1人1人に合った登校プログラムを組むことにより、登校に対しての負担を極力減らし、継続登校に必要な要素を家庭で培うことで、ほんの少しの勇気だけで登校し、大きな不安もなく継続的に登校できるようにした画期的な登校プログラムです。基本的なプログラムは直接的なアプローチである教育コーチングと間接的なアプローチである家族療法と子ども達を支える訪問カウンセリングで構成されています。
1人1人プログラムは変わりますが基本的な流れはこのようになります。
※各項目をクリックすると詳細が表示されます。
インテークカウンセリング(支援開始)
閉じるインテークカウンセリングでまず大切なことは、両親が同じ方向を向いているかです。お母さんが復学支援を受けたいと思ってもお父さんが反対していたら子どもにいい効果が与えられません。ですからインテークカウンセリングは両親で受けていただき、お互いの意思を確認させていただきます。
次に、お子さんがエンカレッジの復学支援に合っているかを確認します。エンカレッジの支援がお子さんには効果的ではないと判断する場合もあります。その場合は支援をお断りする場合がありますのでご了承ください。両親に支援を受ける意思があり、お子さんが支援に合っていると判断された場合は、お子さんの性格や状況に合わせてプログラムを組んでいきます。大まかなプログラムとエンカレッジの考え方、費用面での了解が得られましたら支援がスタートします。
申し込みに関してはインテークカウンセリングの当日でなくてもかまいませんし、インテークを受けたら必ず支援を申し込まなければいけないということもありませんので、インテークだけ受けてみたいという方は気軽にご予約ください。
インテークカウンセリングの料金は2時間程度10,000円(税別)となります。
家族療法を学ぶ
閉じる支援がスタートしたら間接的なアプローチとして早速お子さんへの対応に変化をつけていただきます。
基本的な家庭療法のテクニックは代表の著書である「さよなら不登校」を参考にしますが、お子さんの状況や状態、性格傾向によって対応の仕方も違ってきます。マニュアル通りにいかないのが不登校問題ですから、そのあたりはお子さんの性格を分析し、お子さんに合った対応を学んでいただきます。本にはない、あなただけの家族療法が始まります。それは今までにない新しい発見の連続になることは間違いありません。
ある程度、性格傾向の改善ができ、学校に行ってもなんとか1日過ごしてくることができると思われる状態になりましたら登校刺激をかけます。登校刺激までの家族療法の目安は2ヶ月程度になります。
性格傾向に問題の少ない方や以前から家族療法を本などで学んでいた方で1ヶ月程度、問題となる性格傾向が多い場合は2ヶ月~3ヶ月かかる場合もあります。
訪問カウンセラーの派遣
閉じる訪問カウンセリングの必要性でも触れていますが、復学支援には訪問カウンセリングが必要不可欠です。登校刺激の日までに「お兄さん、(お姉さん)が協力するから、一緒に学校に行けるように考えよう」と言ったときに子どもが「うん」と言ってくれるような関係を作ることが大切です。そのような関係になっていなければ基本的には登校刺激はかけません。
「うちの子は、カウンセリングは嫌がって受けません」と言われる方も確かに多いです。本来カウンセリングは相談者がカウンセリングルームに来なくてはいけません。罪悪感から外に出られない子も多いのでカウンセリングに抵抗がある子はたくさんいます。しかし復学支援の訪問カウンセリングでは、経験豊かなカウンセラーが遊戯療法中心に行うのでほとんどの子どもたちがカウンセラーを抵抗なく受け入れてくれます。
登校刺激がかけられるような関係になるための目安は2ヶ月程度です。低学年で人懐っこい子は1ヶ月程度で関係ができる場合もあります。高学年で気難しい子や内向的な子の場合は2ヶ月~3ヶ月程度かかる場合もあります。訪問カウンセラーの訪問頻度は親御さんの希望にもよりますが週に1度~2度程度です。
登校刺激
閉じる家族療法と訪問カウンセリングの2つが登校刺激の目安に達した時に登校刺激をかけます。登校刺激では直接的アプローチである教育コーチングの手法を使い、子ども達の本音を引き出すコーチング、やる気を引き出すコーチング、精神的に強くするコーチングを行います。
そして、子どもから学校に行きたいという気持ちを引き出すことができれば、訪問カウンセラーが一緒にがんばろうと声をかけます。子どもが「うん」と言えば訪問カウンセラーと具体的な準備に取りかかることになります。ここで訪問カウンセラーとの関係ができていないと子どもが「うん」と言いませんので関係が重要になってきます。
ですから関係の判断に関しては、早く登校刺激をかけたいといっても訪問カウンセラーがNOと言えば登校刺激はかけられないシステムになっています。それだけ関係が重要ということです。ただ、訪問カウンセラーが関係は大丈夫ですと判断したのに「うん」と言わなかった子はいませんので、そのあたりは訪問カウンセラーにお任せいただければと思います。
登校刺激のパターンはいろいろありますが、インテークカウンセリングの時に必ず登校刺激のパターンや内容についてはお話します。そして、親御さんと相談して登校刺激の内容やパターンを決めていきます。登校刺激は本音が引き出しやすいように基本的には1対1でおこないますが、親御さんには扉越しやろうかなどで会話を聞いていただきます。暴力を振るう、無理やり学校に行けと言わせるといった行為はありませんのでご安心ください。
学校訪問
閉じる訪問カウンセラーと一緒にがんばると決まりましたらまずは訪問カウンセラーと一緒に持ち物を確認し、足りないものを揃えていきます。
そして、担任の先生に訪問カウンセラーがあいさつをしにいきます。そこで宿題の配慮や給食の残し方など子どもが困っていることをお伝えします。支援の流れなどもそこで先生にお話しすることになりますが、事前に学校側には支援を受けた時点であいさつに伺っていただきます。
学校訪問の詳しい内容や支援スタートしたときの学校へのあいさつのなどは、支援を受けられたときに支援マニュアルをお渡ししますのでそちらをご覧いただければと思います。
クラス発表
閉じる学校に行きにくい理由で一番多いのが、「休んでいることを友達にどのように思われているかが気になる」「ずる休みと言われるのではないかと心配」など登校した時のクラスの反応です。
そこで、事前に担任の先生からクラスのみんなに受け入れてもらいやすいように発表してもらいます。それをクラス発表と呼んでいます。クラス発表の内容に関しては、子どもの希望や先生がどのように説明してくれているか、どのような登校スタイルにするかなどによって変わってきますが、このクラス発表をすることによりもっとも大きな不安がなくなるので安心して登校できるようになります。
学校見学(前日コーチング)
閉じる登校前日は、学校に置いておくものを持って夕方、学校に向かいます。学校の雰囲気を前日に確認して、教室の席に座ってみるなど前日のうちに緊張しておきます。そうすることで当日の緊張を少しでも減らすことができます。当日と同じ行動をとることで不安を減らすという効果もあります。
また登校前日には代表が前日コーチングを行います。(ない場合もあります)前日コーチングでは、最終チェックと気持ちの底上げを行います。
家庭訪問1回目
閉じる学校訪問が終わると今度は担任の先生に家庭訪問をしてもらいます。子どもたちは担任の先生にしばらく会っていない子も多く、先生が訪問してくれた時に会えなかった子は罪悪感もあります。
家庭訪問1回目ではそういったわだかまりを解消し、先生から学校のことをいろいろ聞くことで先生との関係を再構築していくと同時に先生に直接、学校でやっている学習内容や必要な持ち物などクラスの具体的な内容を聞くことができます。
ただ、久しぶりに会う子は先生に会うだけで緊張してしまいますので家庭訪問は2回に分けて行う場合が多いです。先生との関係が良好な場合は家庭訪問が1回の場合もあります。そのあたりは個々の登校プログラムによって変わります。
家庭訪問は基本的には訪問カウンセラーが同席しますので子どもたちも安心です。1・2年生などは、親が家庭訪問を行った方がいい場合がありますが、それも個々の登校プログラムによって変わりますので、インテークカウンセリングもしくは支援中に相談しながら適切なプログラムを組んでいくことになります。
家庭訪問2回目
閉じる家庭訪問2回目では担任の先生とも前回会っているので、比較的リラックスしてお話ができます。先生には具体的な内容(席、係、班、学習面、友達関係など)様々なことを確認していきます。持ち物をそろえたり、学習面の不安を取り除くことで登校日にはほとんどの不安がない状態になります。
家庭訪問2回目では、たくさんの確認作業があり、子どもたちはあまりの量にパニック気味になったり放心状態になったりもします。ただ、訪問カウンセラーがしっかり要点をメモしていますので、子どもたちは先生が帰られてからゆっくり訪問カウンセラーともう一度確認することができるので安心です。
友達訪問
閉じる学校に行きにくい理由で2番目に多いのが友達関係です。友達になんて思われているかも心配ですが、仲のいい子がいなかったり、仲のいい子がいても長い間会っていなかったりで、どのように接していいかわからないといった子も多いです。
それは相手の子も同じです。友達の方も遊びに行っていいものなのか、どんな風に接したらいいものなのか迷っているのです。
そこで、仲のいい友達に来てもらい、学校に行く前に友達関係を修復しておきます。そうすることで一緒に学校に行ってもらうことも可能になってきますので、学校に入ってからも安心です。
もちろんここにも訪問カウンセラーは同席します。どのように話していいかわからない子どもたちの間を上手に取り持ってくれますので、子どもたちも自然に会話ができ以前のような関係になっていきます。最初さえうまくいけばもともとは仲の良かった子たちですから、帰る頃には大賑わいといったことも多いです。
友達がいない子には、面倒見のいい子を先生にピックアップしてもらい、関係を作ります。その場合には友達訪問を2回3回と行い、ある程度いい関係が築けるようにプログラムを組みます。
登校日
閉じる登校日は、訪問カウンセラーと一緒に学校に向かいます。登校班をはずしたり、友達に迎えに来てもらったり、その子が一番行きやすい状態で登校できるようにします。学校に行くための準備は万全です。後は少しの勇気だけ。緊張はしますが、両親、カウンセラー、友達に見守られながらほとんどの子が渋ることなくしっかりと歩き出します。
継続登校
閉じる学校に行くまでの準備は万全ですが、学校に行ってからのことは学校に行ってみないと分かりません。学校では新たにいろいろな問題が起きます。学校で起こった問題に対しては、本人が解決できるのか、カウンセラーがサポートするのか、親がサポートするのかを相談しながら適材適所で対応していきます。最終的に、本人が全ての問題を解決できるようになれば支援卒業です。